教育ローンの固定金利と変動金利はどちらがおトクか徹底比較

更新日:2020/03/10
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教育ローンは、政府管轄となる日本政策金融公庫や民間金融機関でもある銀行、ろうきんなどから提供されています。

「公的資金を使ったローンなら国の事業だし安心」と思う人も多いかもしれません。

しかし、教育ローンにもさまざまな種類や特徴があるのです。

ここでは教育ローンの金利比較をはじめ、賢い教育ローンの選び方のポイントについて解説していきます。

できるだけ金利が低い教育ローンを利用したい人や、教育ローン選びに迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

教育ローンの意義

教育ローンは、教育費用(入学金・進学資金や、学校の授業料、在学中の生活仕送り費用など)を準備する方法の一つです。

その他の方法はのちほど説明しますので、ここでは教育ローンの意義や魅力について触れます。

教育とは、非常にかけがえのない経験です。

自分の知らない新しいことを学んだり、考え方について磨きを掛けたり、また自分の興味のあるテーマについて友人や学校の先生深い議論を交わすことができます。

こうした経験を通じて教育は人生を豊かにし、また豊かにするために必要な能力を与えてくれるでしょう。

しかし、教育資金という非常に現実的な問題が重くのしかかるのも事実です。
なかには、教育資金を十分に準備できないという人もいるでしょう。

そういう人々の可能性を広げてくれるのが教育ローンです。

もちろんローンは借金の一種ですから、いずれ返済しなくてはなりませんが、ローンを組むことによって、より早く、またより良い教育を受けられるようになります。

そして、教育に資金を投入した結果、将来的な資産形成の能力が増すということは決して珍しいケースではありません。

教育ローンは「金利(利子)」を対価として、「(少しでも早く教育を受けられるという)時間」を買う買い物だとも考えられます。
※教育ローンには「使いみち(使途、利用目的)」の制限があります。詳細は各種金融機関にお問い合わせください。

教育ローンについて考えるときには単なるお金の話だけではなく、自分が受けようとする教育によって、何を実現したいのか、どういった自分になりたいのか、をイメージしておくとよいでしょう。

次に、金利など具体的な教育ローンの内容について解説します。

金利概論~固定金利と変動金利~

教育ローンに限らず、ローンには金利(利息、融資利率)が付きます。
利子に対して、借りた元の資金のことを「元本(借入元金)」ともいいます。

利子は将来の返済額に大きく影響するため、金利は少しでも安いに越したことはありません。

けれども、金利が安い教育ローンを利用するには、厳しい条件が設けられています。

金利が安いということはそれだけ貸す側のメリットが小さくなるため、簡単に借りられないようになっているのです。

実際に銀行系の低金利ローンは、信販系の高金利ローンよりも審査が厳しくなっています。

また、金利には固定金利と変動金利の2種類あります。

金利とは常に同じというわけではなく、その時その時の金融情勢によって適正なものへ変化するためです。

つまり金利の基本的な考え方からすれば変動金利が原則、固定金利は応用したものといえます。

教育ローンには、同じ金融機関でも固定金利と変動金利の2種類を提供しているところが多いですが、固定金利よりも変動金利のほうが現時点では高金利となっています。

固定金利は今後市場の金利水準が上昇しても金利が変化しないため、その分多めに利益を見積もる必要があるからです。

金融機関・契約内容などにより差がありますが、固定金利は変動金利よりも0.5%程度高金利となっています。

逆に金利水準が低下した場合も、固定金利の場合金利は下がらず固定となります。

一方で変動金利は、金利市場の状況によって金利が変動します。

金利市場の金利が上昇すれば金利も高くなりますし、金利が下落すれば金利も下がるのです。

固定金利と変動金利のどちらがより好ましいのか、というのは一概には言えませんが、ただ今現在の日本の金利情勢を考えるのであれば、今以上に低金利となることはあまり考えられません。

国内のすべての金利の基準となる、日本銀行が発表している政策金利が現在マイナス金利となっており、史上最低水準といえる状況にあるためです。

今後、日銀が金融政策を正常化していく中で利上げしていくことは十分に予想されることですから、変動金利も今後は上昇していくと考えるほうが現実的でしょう。

したがって、もし今(2020年3月執筆時点)変動金利か固定金利かを選ぶのであれば、多少見た目上の金利は高くても固定金利を選んだほうが将来的に安心だといえます。

教育ローンの金利相場を比較

指をさしてポイントを教える先生

教育ローンは日本政策金融公庫が行っている公的なローンと、銀行や信金、ろうきん、消費者金融などが行っている私的なローンに分類できます。

この2つは性質や判断基準、最高融資金額、最長返済期間などが大きく異なります。

前者の公的なローンの大きな特徴が、所得制限があることです。

公的なローンの持つ、一定の収入以下など経済的に困難な状況を抱えているけれども、教育を受けたいという方を支援する目的から所得制限を設けています。

日本政策金融公庫の教育ローンの金利及び、諸条件は以下のとおりです。

金利 年1.66%(固定金利・保証料別)
諸条件 母子家庭、父子家庭、世帯年収200万円(所得122万円)以内の方または子ども3人以上(注)の世帯かつ世帯年収500万円(所得346万円)以内の方は年1.26%(固定金利・保証料別)

※日本政策金融公庫公式ホームページより(2020年3月5日更新)

一方で銀行やろうきんなどの私的なローンでは、返済能力が重視されます。

公的なローンとはちょうど対照的に一定以上の年収や、継続安定した収入があることが条件です。

さらに他社借入額や信用情報などが見られ、保証会社の審査に通過しなければ利用できません。

多くある私的なローンのなかで、楽天銀行の教育ローンの金利を例として見てみましょう。

金利 年3.9%(固定金利)、年3.214%(2020年3月度)

※提携校の場合は、優遇金利あり。地銀など地域密着型の銀行の場合には、地元の学校と提携している場合もあるので各銀行や各種学校に問い合わせてみてください。
※※楽天銀行公式ホームページより(2020年3月5日閲覧)。また、公式ホームページには過去10年間における楽天銀行の基準金利の実績グラフがあります。
※金融機関によっては担保を付けることによってさらに低金利で融資を受けることも可能です。

上記のように、公的なローンと私的なローンを比較した場合には公的なローンのほうが低金利ですが条件が厳しく、私的なローンでは継続安定した収入を証明できれば借りられることが分かります。

次に固定金利と変動金利が選べる場合、上手に選ぶ方法を解説します。

固定金利と変動金利で悩んだ時の選択基準とは

ポイントのイメージ

固定金利と変動金利、選ぶうえで押さえておくべきポイントは次の2点です。

返済期間
返済期間における基準金利の見通し

金利は安ければ安いほどよいですが、金利の低さだけで固定金利と変動金利を選ぶのは危険です。

金利は変動するため、金利の変動と何年後に完済できるかの、将来への具体的な見通しをある程度立てる必要があります。

今は新型コロナウイルスの影響により世界的な株価の下落がみられ金利低下が起こっていることを考えると…
短期返済を考えているのであれば変動金利を選ぶことを、長期返済を考えているのであれば固定金利を選ぶことをオススメしたいと思います。

 

 

教育ローンの金利計算は返済シミュレーション

教育ローンの金利を計算するときには、どのように返済するのかという返済プラン(借入期間)を考えておくのがおすすめです。

返済総額は(残りの)元本と金利によって左右されます。

つまり、元本が減れば減るほど同じ金利であったとしても、残債務は少なくなるのです。

具体的な返済プランを立てるために、返済シミュレーションをしてみましょう。

たとえば、100万円のローンを金利2%で月10万円ずつ返済した場合と、月5万円ずつ返済した場合を比較します。

※実際の教育ローン金利は年利で計算しますが、話を簡単にするために月利としました。

最初の1か月の時点で残債務は金利2%なので102万円です。

  • 10万円返済した場合…92万円
  • 5万円返済した場合…97万円

次の月の残債務は

  • 前者は92万円×1.02で84万円(金利分1.84万円)
  • 後者では97万円×1.02で94万円(金利分1.94万円)

金利による上積みが8千円分異なっているのが分かります。

そして100万円分を支払った時点ではどうでしょうか。

100万円分を支払った時点では

  • 10万円ずつ支払った場合…残債務が4万円ほどで、翌々月には完済
  • 5万円ずつ支払った場合…残債務はまだ11万円あるため、完済はさらに半年後となる

金利に加えて、返済期間も教育ローン選びの重要なポイントです。

理想はより低金利で借りてより短い期間で完済することですが、難しい場合にはできる限り低金利で借り入れできるようにしましょう。

また、教育ローンは毎月一定額返済するよりも、多めに返済可能な場合には多めに返済しておくことで元本を減らし、結果的に総返済額を減らすことが可能です。

余裕がある場合には、繰上返済を行って金利を安くしましょう。

その他の選択肢~奨学金や学資保険など~

最後に、教育資金を準備する他の方法について簡単に紹介します。

奨学金と教育ローンの違い

両親が直接借りる教育ローンに対して、お子さんが債務者となり返済義務を負うのが奨学金です。

ただし、借入日翌日から金利が発生する教育ローンに対して、奨学金は在学期間中は返済義務を課されず金利も発生しない場合がほとんどです。

さらに、利用には学力や収入面などの非常に厳しい審査基準がありますが、通過すると無金利で借りられる第一種奨学金というものもあります。

教育ローンと比較して奨学金は、在学期間中に返済に追われないため学業に集中できるのがメリットです。

一方お子さん本人が返済義務を負うため、将来的な返済の負担が重くのしかかります。

利用するさいには、教育ローンとメリットとデメリットをよく比較したうえでどちらがよいか選びましょう。

余裕があれば学資保険という選択肢も

学資保険はほかの保険商品と同様に毎月保険料を支払い、一定の時期になると給付される保険商品です。

借金ではなく、事前に必要な教育資金を積み立てていきます。

また、親が死亡するなどの万が一の場合が起こった場合には以後の保険料の支払いが不要になるなどの生命保険としての機能も備えているのが特徴です。

一般的な学資保険では高校卒業時に満期が来るように設定しておき、満期受取金は大学入学の資金とすることが多くなっています。

時間や資金にある程度の余裕がある場合には、学資保険に申込むのも方法のひとつです。

学資保険は貯蓄の一種で、利子が付きます。

早い段階で学資保険に申込みしておけば、ご両親本人やお子さまの将来的な負担を軽減できるでしょう。

まとめ

教育ローンの金利や種類、選び方のポイントなどを紹介しました。

教育は一生ものの財産ですが、あまりに負担を増やしすぎることも避けるべきです。

各制度や各金融機関の提供している教育ローンにくわえて、奨学金や学資保険などの選択肢もあります。

返済負担やメリットデメリットを考えながら、ぜひ納得のいく教育資金調達方法を見つけてください。

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