消費者金融にも時効アリ?手続き方法と信用情報への影響

更新日:2020/02/27
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消費者金融からお金は当然返さなくてはいけません。

しかし、どうしても返済できないとき、返済せずに放置しておくとどうなるのでしょうか。

実は、消費者金融での借金には時効が存在し、返済義務を消滅させることができます。

ただし、時効を成立させるには条件があり、決して簡単にできることではありません。

時効にするということは、借金を踏み倒すことと同じです。

おすすめはできませんが、ひとつの知識として借金の時効を成立させるための方法を解説します。

消費者金融の借金は5年で時効

消費者金融でお金を借りて、もし返済しないまま取り立ても無視し続けるとどうなるのでしょうか。

お金を借りる側として本来あってはいけないのですが、実は、消費者金融からの借金には時効が存在します。

借金が時効になるということは、返済義務がなくなるということです。

ちなみに借金の時効については、商法の中に条項があります。

商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、五年間行使しないときは、時効によって消滅する。ただし、他の法令に五年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる。(商法第522条)
引用元:法令データ提供システム 電子政府の総合窓口 e-Gov

商法によれば、5年間返済しないままでいると時効となり、借金は消滅するということになります。

消費者金融だけでなく、銀行やクレジット会社からの借入も“商行為によって生じた債権”とされ、時効期間は5年です。

ちなみに、貸主が信用金庫や個人の場合、時効には10年間必要です(民法第167条より)。

信用金庫が行う業務は営利目的ではないとされ、商行為にあてはまらないためです。

ただし、商人である会員が事業資金を信用金庫から借入する場合は商事債権となり、時効期間は5年となります。

時効の成立には条件がある

時効になると言っても、ただ5年間経っただけでは借金は消滅しません。

時効を成立させるには、いくつかの条件をクリアする必要があります。

返済日の翌日から5年経過していること

通常、消費者金融で契約、借入すると返済期限が設定されます。

時効期間は、契約日ではなく1回目の返済日の翌日から数えていきます。

もし1回でも返済した場合は、最終返済日の次の返済期日の翌日から時効が進行します。

途中で少しでも返済すると時効が中断するので注意してください。

援用の手続きをすること

5年経過すれば、それだけで時効が成立するわけではありません。
5年以上経過し、「援用」の手続きをして時効が成立します(※援用については後章で説明します)。

また、時効を成立させるには、時効期間が過ぎているか、正しく認識しなくてはいけません。

時効期間を確認するには、個人信用情報を確認します。

悩む万年係長のイメージ

個人信用情報機関で個人情報開示の手続きをすると、自分の信用情報を確認することができます。

開示した信用情報には返済期日などが記載されているので、最終返済日を確認し時効期間の5年が過ぎているか計算します。

もし返済期日の記載がなくても、開示された情報(貸付日、延滞日など)からおおよその最終返済日を推測することは可能です。

大手消費者金融であれば、JICCCICに加盟していることが多いので、問い合わせてみるといいでしょう。

借入から月日が経ち、消費者金融との連絡が途絶えているとなると、時効までの日数は確認しづらい状況です。

しかし、このタイミングで借入先に連絡すると、逆に督促されたり、債務を承認したことになり時効が中断(※時効の中断については後章で説明します)する恐れがあるので、連絡は控えてくださいね。

時効までの期間が延びてしまう「時効の中断」とは?

時効期間の5年に達する前に、特定の事由により時効進行が中断し、またはじめから時効期間のカウントが開始となる場合があります。

時効の中断となると、なかなか時効の完成までたどり着くことができません。

時効の中断には、以下のようなケースがあります。

1.消費者金融からの請求

消費者金融が裁判を起こしたり、裁判所への差し押さえ、仮差し押さえ、仮処分の申し立てを行ったりするなど、法的手続きが行われると時効は中断します。

債権者が債務の弁済を求める訴訟を提起した場合、その時点で時効は中断してしまいます。

判決が確定すると再度時効のカウントが始まりますが、確定判決にもとづく権利の時効期間は10年に延長されます。

裁判は相手の住所がわからない場合でも起こすことができるので、たとえ夜逃げをしたり、音信不通であっても、裁判を起こされて時効が中断されることもあり得ます。

確定判決によって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は十年とする。裁判上の和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利についても、同様とする。(民法第174条の2)
引用元:法令データ提供システム 電子政府の総合窓口 e-Gov

また、債務者に返す意思がなくても、差し押さえにあえばどうすることもできません。

消費者金融との契約は、原則安定した収入がなければできませんよね。

そこで、裁判所を通して債務者の給与の差し押さえ、銀行の差し押さえといった手段をとり回収するというわけです。

給与の差し押さえとなると、裁判所から勤務先に差し押さえ命令の書類が届くので、借金だけでなく滞納したことまで勤務先に知られてしまいます。

2.債務の承認

債務者が借金していることを認める言動(債務の承認)をすると時効は中断します。

たとえば、借りた消費者金融に対して「必ず返済します」「返済をしばらく待ってください」などと言ったり、また、途中で1円でも返済すると債務の承認となります。

返せない債務者に対して消費者金融が少額だけでも返済を迫るのには、時効を進行させないためでもあるんですね。

援用しないと時効は成立しない

悩む先生

借金の時効期間が過ぎても、「援用」手続きをしなければ時効は成立しません。

援用とは、相手に時効を主張するための行為を言います。

援用手続きは借入先の消費者金融に対し、配達証明書付きの内容証明郵便で時効援用通知書を送付するのが一般的です。

内容証明郵便は、いつ時効を援用したのか証拠が残るため、後になっての揉め事を避けるのに役立ちます。

時効援用通知書については、インターネットでも例文など情報が見つかるので、自分で行う場合はよく調べるようにしてください。

自分で援用手続きをするのが不安なら、司法書士や行政書士、弁護士といった専門家に相談するのがおすすめです。

専門家に書類作成や手続き代行を依頼すると料金は発生しますが、なにより失敗がなくスムーズに手続きが進みます。

時効にできる可能性は極めて低い

借金に時効があることを知り、時効を決め込んだ人もいるかもしれません。

しかし、実際に借金を時効消滅できる可能性は極めて低く、難しいのが現実です。

なぜなら借金の返済を一切しないまま5年間過ごすのはかなり難易度が高いと言えるからです。

まず、借金を滞納したままでいると、消費者金融から催促の電話、督促状の送付といった取り立てにあいます。

在籍確認のイメージ

消費者金融からの連絡を放置すると、携帯電話だけでなく自宅や勤務先にまで電話がかかってくる場合もあるでしょう。

さらに支払い督促に応じない場合、裁判所から通知が届き、法的な回収手段をとられることもあります。

消費者金融側が法的手段に入れば、借金の時効は中断してしまいます。

そうこうしているうちに、利息や遅延損害金が膨れ上がり、ますます返済できない状況に追い込まれてしまうでしょう。

もし時効が成立するとすれば、消費者金融側に事務的なミスがありチェックの目を潜り抜けた場合ですが、そんなケースは滅多にありません。

消費者金融としても、簡単に時効を成立させるわけにはいかないのです。

時効の信用情報への影響は?

もし時効が成立した場合、信用情報への影響はどうなるのでしょうか。

まず、借金を延滞したこと自体が信用情報に事故情報として登録されます。

返済しないままでいると基本的にはずっと延滞情報が登録されます。

個人信用情報機関は信用情報を保管している

信用情報に事故情報がある状態は「ブラックリスト状態」とも呼ばれ、以降、金融業者での借入やクレジットカードの審査に通りにくくなります。

そして時効を援用した場合ですが、支払義務がなくなるものの、信用情報に登録された事故情報が消えるとは限りません。

時効の援用そのものは信用情報に掲載されることはありませんが、金融業者や信用情報機関によって掲載方法が異なり、その記載から時効を援用したことが推測できる場合も多々あります。

いずれにしても、事故情報の登録期間は原則5年となるので、5年間は新規のカードローンやクレジットカード利用はできないものと思ってください。

時効以外に借金解決の道も考えて

指をさしてポイントを教える先生

消費者金融からの借金には時効が存在するものの、時効の成立は極めて難しいです。

もし時効を狙っていたとしても、時効の中断が起こる可能性が高く、なかなか時効を成立させることはできません。

借金が返せなくなったときは、時効ではなく、債務整理で借金自体を解決させる方法もあります。

債務整理と言っても任意整理、特定調停、個人再生、自己破産など、手立てはさまざまです。

たとえば任意整理であれば、債権者と相談して返済額を減らしてもらうことが可能です。

もし過払い金が発生していれば、任意整理で見つかるというメリットもあります。

債務整理はほとんどの場合信用情報に登録されますが、成功率の低い時効より、債務整理で確実に借金を免責もしくは減額してもらう方が安全です。

司法書士や弁護士事務所など、専門家を通した債務整理手続きには費用がかかりますが、まずは無料相談を行っている事務所をチェックしてみるのもいいでしょう。

特にまだ借りたばかりの人は、借金返済から逃げるのではなく、どのように無理なく返済していくかを考えてください。

延滞しそうなときは事前に消費者金融の担当者に連絡すれば、返済のアドバイスを受けることも可能ですよ。

まとめ

消費者金融での借入には時効が存在します。

借金を消滅時効させるには、時効期間5年を経過すること、援用の手続きを行うことが条件です。

時効の進行中は、少額でも支払わないこと、債務を認めるような言動には十分注意が必要です。

ただし、いくら無視を決め込んでいても、消費者金融側が法的手続きを行えば、時効の中断となります。

時効期間の5年を迎えることは容易ではないことを知っておきましょう。

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